専門医研修

「私らしい」を見つけ直す
リハビリテーションが拓く可能性

リハビリテーションは、ラテン語の「re(再び)」+「habilis(適する)」からきている言葉で、もともとは「名誉の回復」の意味で用いられていました。

リハビリテーションについて、WHOは「能力低下した場合に、機能的能力が可能な限り最高の水準に達するように個人を訓練あるいは再訓練するため、医学的・社会的・職業的手段を併せ、かつ調整して用いること」と定義しています。

病気や怪我により不自由を抱えてしまった人に対して、課題を乗り越え、その人らしい生活ができるよう支援するリハビリテーションは、その方の尊厳や権利を守り、回復することにもつながります。そのため本邦では、「全人間的復権」とも訳されています。

リハビリテーション科は、人の尊厳と向き合い、人生を取り戻すことに寄り添う科だといえる

リハビリテーション科専門研修について

リハビリテーション科専門医は、初期研修の2年間と専門研修(後期研修)の3年間の合計5年間の研修で育成されます。

リハビリテーション科専門医の資格を得るには、リハビリテーション医学会(以下、学会)が認定する研修施設において、3年以上の研修を行い、専門医試験を受験する必要があります。試験においては、出願時のレポート提出と、学科試験、口頭試問が課されますが、受検資格としては、学会年次学術集会において2度の発表を行うことに加え、以下の75例を含む100例以上の疾患のリハビリテーション医療を自ら担当することが求められます。

  • 脳⾎管障害・外傷性脳損傷など
  • 外傷性脊髄損傷
  • 運動器疾患・⾻折
  • ⼩児疾患
  • 神経筋疾患
  • 切断
  • 内部障害(呼吸器疾患、⼼・⼤⾎管疾患、末梢⾎管障害など)
  • その他(廃⽤症候群、がん、疼痛性疾患など)

また、各種療法はもちろんのこと、電気生理学的診断、摂食・嚥下評価、義肢・装具、更には地域医療や福祉との連携など、多岐にわたる知識や技術を身に着けることが求められます。

また、各種療法はもちろんのこと、電気生理学的診断、摂食・嚥下評価、義肢・装具、更には地域医療や福祉との連携など、多岐にわたる知識や技術を身に着けることが求められます。

当院での研修について

京都大学医学部附属病院は、1000床以上の病床を持つ特定機能病院であり、すべての診療科が高度医療を担っています。そんななか、リハビリテーション部門は1日400人以上のリハビリテーション医療に携わっています。疾患の内容は多岐にわたり、多くの症例を経験することができます。

当院の研修プログラムには、脊髄損傷、切断、摂食嚥下、小児など、専門性の高い研修を行うことのできるリハビリテーション専門病院や、回復期から維持期(生活期)までのリハビリテーションを広く行っている総合病院が参加しています。それらの施設をローテートすることで、3年間の研修プログラムで、急性期、回復期、維持期(生活期)それぞれのリハビリテーションや、専門性の高いリハビリテーション医療を、バランスよく組み合わせることが可能です。

当院の研修プログラムには、脊髄損傷、切断、摂食嚥下、小児など、専門性の高い研修を行うことのできるリハビリテーション専門病院や、回復期から維持期(生活期)までのリハビリテーションを広く行っている総合病院が参加しています。それらの施設をローテートすることで、3年間の研修プログラムで、急性期、回復期、維持期(生活期)それぞれのリハビリテーションや、専門性の高いリハビリテーション医療を、バランスよく組み合わせることが可能です。

また、当院では臨床研究にも力を入れており、海外雑誌に多くの研究報告をしています。希望があれば、研修期間中に臨床経験を積みながら研究活動を行い、指導を受けながら英語論文を執筆できるよう支援します。

京都大学医学部附属病院リハビリテーション科はまだ若い科であり、だからこそ、専攻医それぞれのニーズに柔軟に応えることができます。やりたいことがある人も、やりたいことを探している人も、興味があればぜひ一度、当院リハビリテーション科にご連絡ください。

さらに詳しく知りたい方は京都大学リハビリテーション科専門研修プログラムをご覧ください。

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